命に感謝 その3 野口病院

 2008-11-03
見舞いに来てくれる家族の苦労や術後の通院時の自分の苦労を考えると、多少ためらいは残ったが、ともかく大分県別府市の野口病院に行ってみることにした。

10月2日に野口病院に行くと、外来患者の多さにびっくりした。ざっと見ても150人以上はいる。甲状腺疾患の患者が各地から集まっているという。担当の先生に経緯を話すと、「白黒をつけたくて来られたのですね。もう1度針で細胞を取ってみましょう。」と言われ、また首をプスリと刺されてしまった。「1時間ほどで結果が出ますので、お待ちください。」といわれ、待機。地元の病院では1週間かかったのに、ここでは1時間で結果が出ることに驚いた。そして1時間後・・・。

「残念ながら悪性です。右側の甲状腺に8ミリほどの腫瘍があります。右半分の甲状腺を手術でとりましょう。小さいうちに健診で見つかって、ラッキーと考えましょう。」

同じような患者の多さ、検査体制の充実ぶりを垣間見た僕は、「お願いします」と、ここでの手術を決めてしまった。10月20日に入院、24日に手術ということになった。最初に行った総合病院は、申し訳なくもキャンセル。

悪性腫瘍、悪性新生物、つまりガンであることがはっきりしてしまった。妻に伝えると、泣かれてしまった。つられて僕も少し泣いたけど、感受性の違いなのか、妻のほうがショックが大きいような感じだ。だけど、1人になって静かに考えてみるとやっぱり恐い。

自分の体の中に癌細胞があって、それが常に体の中をめぐっている。考えれば考えるほど恐くなる。転移がこわい。術後の再発が怖い。不摂生がいけなかったのか、夜更かしがいけなかったのか、いろんなストレスがいけなかったのか。原因は分からない。

考えるほど恐くなるし、原因などどうせわからない。なので、僕は悪く考えるのをやめた。手術を先生に託し、術後は運命にまかせる。転移や再発がわかったら、そのとき対応しよう。今後は、もっともっと命に感謝して生きていこう。そう覚悟を決めた。というより、そうするほかはない。

つづく
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